HEAT20報告会に参加しました

 

11月30日に兵庫県姫路で行われた、

HEAT20の報告会に参加してきました。

 

あまり馴染みのない言葉かと思いますので、

はじめに、HEAT20とは…

 

2009年に発足した、有識者・民間から構成される

「2020年を見据えた住宅の高断熱化技術開発委員会」

 

長期的視点に立ち、住宅における更なる省エネルギー化をはかるため、

断熱などの建築的対応技術に着目し、住宅の熱的シェルターの高性能化と

居住者の健康維持と快適性向上のための先進的技術開発、評価手法、

そして断熱化された住宅の普及啓蒙を目的とした団体です。

(HPより引用)

 

一見難しいそうな感じがしてしまいますが、

注目していただきたいのはアンダーラインの箇所です。

 

 

ZEHはどちらかというと省エネルギーがメインで、

 

「室内環境の質の維持」をしつつ

 

大幅に省エネルギーを実現するという形ですが、

 

(今と同じ生活で省エネというイメージ)

 

 

HEAT20では健康維持、快適性向上を目指しています。

そのため、断熱性能(外皮性能)を高めることを、

単に省エネルギーのツールとしてではなく、

「室温温熱環境はどうあるべきか」を考え

「住宅の省エネルギー基準」とは少し異なる視点から

G1グレード、G2グレードという2つの断熱水準を提案しています。

 

http://www.heat20.jp/HEAT20_pamph2018.pdf

P17より

 

沖縄は上表の8地域。全国唯一8地区として設定されています。

 

蒸暑地域といわれる沖縄は、他県に比べて年間の温度差が小さく、

あまり寒くならないため、UA値、外皮平均熱貫流率(熱の逃げやすさ)の基準がなく、

冷房期の平均日射熱取得率ηAC(熱がどれだけ入るか)の基準のみが設定されています。

 

住樂の家では樹脂サッシと外張り断熱を標準仕様としているので、

設定されたηACの基準は当たり前にクリアできているのですが、

実は、この基準は少しゆったりとしています。

 

実際の居住性を考えたときに

どの程度まで性能を高めること(断熱を厚くすることが)が良いのか、

6〜8畳用のエアコン一台でお家全体の温湿度を均一化できるように、

私たちなりに模索しながら家づくりをしてきました。

 

その取り組みを見てくださっていた樹脂サッシのエクセルシャノンさんに

声をかけて頂き、今年度より会員に。

 

ずいぶんと、前置きが長くなってしまいましたが、

報告会に初参加してきましたので、

その内容と住樂の家づくりも合わせてご紹介します。

 

 

はじめに、

姫路にあるヤマト住建さんのモデルハウスへ

断熱性能と設備が充実していました。

皆さんの目線の先にあるのが全館空調システムYUCACO(ユカコ)

空調室に設置したエアコン1台から、ダクト、チャンバー系統で

それぞれの部屋へ暖気や冷気を送るシステムです。

 

各部屋に置かれた温湿度計で、実際に温度差が少ないことを確認できます。

(湿度を50%切るのは沖縄ではなかなかないことですね)

 

エアコン1台(冷房5.6kW暖房6.7kW)で全部屋を均一にできるのも、

断熱性能と、気密性が備わっているからこそです。

暖房のもわっとした感じがなく、お家全体が過ごしやすい環境になっていました。

 

 

住樂のお家でも、よく2Fのオープンスペースに設置したエアコン1台で、

というお話をさせて頂いていますが、個室が多いプランの場合は

オープンスペースの1台だけというわけにはいきません。

住樂でも全館空調システムの導入も可能ですので、

ご興味のある方は是非、お問い合わせください。

 

 

見学の後はいよいよ報告会。

東京大学名誉教授の坂本先生による開会の挨拶。

 

 

近畿大学建築学部長 岩前先生による講演。

 

省エネ基準の動きについて

HEAT20のG1グレード、G2グレードのお家の実態調査の結果と

また夏場対策、蒸暑地域についても

お話をしてくださいました。

 

(一部抜粋し、スライドの順番を入れ替えてご紹介しています。)

快適≠健康

心が求めるもの≠体が求めるもの

 

私たちも、快適と健康という言葉をセットで使ってしまいがちですが、

 

 

「快適」と「健康」と分けて考えてみると住まいへの意識、

 

価値観が変わるかもしれません。

 

例えば冬の場合

 

▽夏の場合

上の図をイメージしやすくするために、

より身近な夏の暑さで説明させていただくと、

 

極端な例にはなってしまいますが、

暑い夏に「涼しい」と感じることを「快適」と定義してみます。

 

断熱性能のないお家でも、エアコンをつければ涼しく、

「快適」と感じることができるのは、皆さんご存知の通りです。

しかし、沖縄のような湿度の高い環境で、断熱性能のないお家では、

窓から伝わる熱がエアコンの冷気で冷やされて結露、

カビの発生しやすい環境になってしまいます。

 

きちんと断熱をして、窓からの熱の侵入も少ない状態になっていれば

結露が起きず、またエアコンの設定温度をそこまで下げなくても

全体を冷やすことができます。

カビの発生リスクも下がり、過ごしやすい「健康」な環境にすることが可能です。

 

無垢の木や漆喰といった、素材の健康性に関しては健康への意識が高い方も

多いと思うのですが、「健康」な住環境についても

皆さまにも是非考えてみてほしいなと思います。

 

 

「健康」に必要な要素のひとつ、断熱性を備えたお家の実態調査

 

高性能住宅に住むことで何が変わるのか、

を分かりやすく示してくださっていました。

 

寝室・洗面室・リビングでの温湿度測定と

ヒアリング調査の結果

 

共通している傾向としては

光熱費の削減、

結露がなくなった

家で過ごす時間が増えた 

エアコンの使い方の変化

家の中の温度変動の少なさ

部屋間の温度差の少なさ

 

HP上で公開されていますので

詳しくはそちらを是非ご覧ください!

http://www.heat20.jp/members/data/2018/17-2_iwamae.pdf

 

施主様にお家に帰りたいな、お家で過ごしたいな、

と思ってもらえるお家を作ることが、次世代につながる

家づくりの大切な要素の一つではないかなと思っています。

 

性能を備えることで、生活環境・質が変わることも

家づくりの中でポイントにしていただけるように

私たちも頑張って伝えていかないと改めて感じました。

 

 

 

 

今回、蒸暑地域についても

お話してくださったのが嬉しいことでした。

 

風を通すことが、省エネルギーでの夏の涼の取り方として

根強く、沖縄ではなかなか断熱・気密の話が一般的になっていません。

 

 

確かに風に恵まれているので、

夏場でも日陰は風を心地良く感じることもはあるのですが、

実際にはとても湿度の高い空気です。

 

その空気を入れて生活することは、

必ずしも健康的とは言えないかもしれない?

ということを示唆するカビのお話です。

 

先生が2016年に実施した、沖縄のカビの生育数の結果

サンプルが12戸から示される傾向。

 

窓ガラスがペアである場合と単板の場合、

エアコンを毎日使うのと使わない場合にご注目ください。

「カビ」に注目すると

ペアガラスにしているお家は単板ガラスに比べてより、

毎日エアコンを使うほうが使わないよりも

 

カビの発生が少ないという結果が出ています。

 

これは私たちに非常に嬉しい結果です。

住樂では外張り断熱と、樹脂サッシ、 また、計画換気で

夏場の結露が起きない住環境づくりを続けてきました。

 

湿度の高い時期は窓を開けずに、エアコンの24H運転を推奨しています。

調質効果のある無垢の木と漆喰を使っていることもあり

裸足で床に触れたときに足の湿気をさっと吸ってくれるような

暑くもなく、寒くもなく、さらりとした空気感に。

 

決して閉鎖的に考えているのではなく、

うりずんの季節など、湿度の下がる季節には窓を開けて

風が通るようにも設計しています。

 

時と場合によって、実際にそこに住む方が選べる家が良いのかなと思っているのですが、

湿気の多い時期に、窓を開けて外気を通すリスクを知ったうえで

住まい方を選択して頂けたらと思います。

 

 

 

少し脱線しましたが、先生の結果から、

外からの湿度を入れないことが、カビの繁殖がより少ないという傾向は

今の家づくりの方向が間違っていないことを改めて確認できました。

 

カビの実態調査、今年度も実施予定とのことですので、

皆さま是非、ご協力お願い致します^^

 

 

 

その後、実際に家づくりをしている会員の方の報告。

住樂も初参加ながら家づくりを紹介させていただきました。

琉球石灰岩の石積みや、ひんぷんや、雨端といった伝統の要素を取り入れながら、

断熱や空調の工夫などをご紹介させていただきました。

 

写真右側はサーモグラフィー。部屋全体が同様の温度なのが分かります。

(赤い部分は照明。)

 

住樂を含め7社が発表。家づくりのコンセプトや、経営方針、

検証中のことだったり、テーマは色々でしたが、前向きな姿勢に

いい刺激を受けました。

 

 

 

懇親会では色々なお話しを。

 

エアコンの稼働方法についても話題になったのですが、

連続運転をするほうが電気代を使わないということが

やはり、容量の小さなエアコンを一定の負荷をかけて、連続運転させたほうが、

エアコン効率としても良いというお話も。

エネルギーの消費量で考えると、エアコンの場合は

大は小を兼ねるとは言えないとおっしゃっていました。

 

 

冬はー10度まで、夏は40度まで上がることがある地域のお話を伺って、

沖縄の気候はとても恵まれていることを感じさせられたり。

 

やはり地域地域によって悩みがあり、

皆さん努力されているお話を伺って、

これからも頑張っていこうと、改めて思いました。

 

とても嬉しかったのが、私達の家づくり紹介をご覧になった方に、

「こういう家が残っていくんだろうなと思いました。

「寒くない家」(健康な家)が残ると思っていたけど、それだけじゃだめで、

 こういう要素も必要なんだろうなと思いました。」といって頂けたことです。

 

同じく家づくりをしている方にそう言っていただけた事はとても嬉しいことでした。

 

 

室内環境を考えて性能を上げていこうとする私たちの努力はもちろんですが、

 

やはりお客様の理解もまた必要です。断熱しない、窓の性能もない家に比べると

どうしてもコストは上がってしまいます。

 

長い目で見たときに、光熱費が下がり、健康的な環境で暮らせることが

家の価値として当たり前に評価され、時を重ねてより価値を増していくような

家づくりをこれからも頑張っていきたいと思います。

 

0

    スポンサーサイト

    0
      • 2019.06.14 Friday
      • -
      • 10:37
      • -
      • -
      • -
      • -
      • by スポンサードリンク

      関連する記事

      Sun Mon Tue Wed Thr Fri Sat
            1
      2345678
      9101112131415
      16171819202122
      23242526272829
      30      
      << June 2019 >>

      ■Livos oil

      リボスオイル販売取次店 リボスオイルアメロス

      ▶リボスオイルについて

      大工さん募集!

      大工募集
      ▲クリック!多忙につき大工さんを募集しております。お問い合わせお待ちして居ります。

      Profile

      categories

      Archives

      Latest entries

      search this site.

      others

      mobile

      qrcode

      sponsor