2011.04.30 Saturday
木のおもちゃの魅力
じゅう樂 第12号(若夏号)より、お届けします。
今年1月に行われた「第1回ウッディ・ビエンナーレin沖縄」にて
■横手さんの考える木のおもちゃの魅力とは?
準グランプリを受賞した木暮し工房主宰、横手道朗氏に
木のおもちゃの魅力について語っていただきました。
そのインタビューをお届けします。
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■まず「ウッディ・ビエンナーレin沖縄」とはどんなイベントだったのでしょうか?
横手: 全国的にも有名な組み木デザイナーの小黒三郎氏を中心に2年間の準備期間を経て
開催したイベントです。
内容はまず①プロアマ問わず公募による木の創作玩具のコンペ、
そして②県内木工作家が参加した共同テーマ展、
ここでは各作品を一般来場者へ展示即売しました。
さらに③県内各地の小学校での子供向けワークショップの開催
という3本柱で行いました。
■今年沖縄で第1回目が開かれた背景とその意義を教えてください。
横手: 小黒さんが2002年以降たびたび来沖し、県内の木工作家と交流をする中で、
「木のおもちゃ専門の作り手が他県に比べて少ない」と感じていたそうです。
そして小黒さんの「木のおもちゃ作りを拡げたい」との思いに引っ張られる
ように実行委員会が立ち上がり、開催に至りました。
確かにこれまで木の家具のコンペは毎年開かれていましたが、
木のおもちゃに特化したコンペはありませんでした。そういう意味では
ウッディ・ビエンナーレin沖縄が初めて開催されたことは、
木のおもちゃに注目が集まる記念すべきことですし、
2011年は沖縄における木のおもちゃ元年と言えると思います。
■小黒三郎さんは全国的にも有名ですが、小倉さんの取り組みについて教えてください。
横手: 日本における組み木デザイナーの第一人者であり、その名は海外でも
知られています。糸のこを駆使して動物の親子や五月人形などまさに
パーツとパーツが組み合わさる木のおもちゃを製作されていますが、
そのデザインと技術には素晴らしいものがあります。
また「木のおもちゃを使う楽しみだけでなく、
デザインする楽しみ、作る楽しみを知ってもらいたい」との思いから
小学校等で子供向けワークショップを全国的に展開されています。
今でこそ「木育」という言葉が使われていますが、
小黒さんはこういった活動に20年以上前から力を入れています。
■横手さんが準グランプリを受賞された「気象予報士」とはどんな作品なのでしょうか。

横手: 子供の頃夕方になると
「あーした天気になあれ!」って
靴や下駄を蹴り飛ばした記憶ってあるでしょ。
履物が上を向いたら「晴れ」、ひっくり返ったら
「雨」とか言って遊んだ記憶が。
それを木のおもちゃで作ってみました。
さらに改良して「今日の運勢占い」
「恋愛占い」もできるようになりました(笑)。
楽樹展でも展示しますので実際に見てもらいたいですね。
横手:僕も子育てをしてきましたが、自然に還る素材だから子供に与えても安全だし、
安心できる点かな。それと情緒にとってプラスになるだろうと思います。
実証されているかどうかは別にして、優しく、穏やかに育った子供の根っこの
部分には木のおもちゃとの触れ合いがあるんじゃないかな。
そういう意味では教育にいいというよりは心にいい影響を与えていると思います。
ただすべてが木でなくてもいいとも思っています。
ゲームにも優れたおもちゃはあるだろうし、Legoみたいなプラスチックの
おもちゃでも創造力を育むいいおもちゃはありますから。
木であれば何でもいいというわけではなく、
デザインや遊び方を
どう付け加えるか
が大事なところ。そしてここが作り手側の腕の見せ所。
プラスチックと木、
同じ面白いものがあるとすれば、木の方がいい。
大事なのはいかに面白いもの、子供が喜ぶものを作るかということだと思います。
それともう一つ僕が大切にしたいのが、子供が遊ばない時でも飾っておけて、
大人も楽しめる、大人の鑑賞にも
堪えるおもちゃであるということ。
つまり木のおもちゃを雑貨的な感覚で捉
えて製作しています。
■木のおもちゃに関する今後のイベントを教えてください。
横手: 僕の関わるイベントとしては、まず4/23(土)から
楽樹展・5《木と友達になろう!おもちゃ展》が八重瀬町の
木の工房楽樹(らっきー)で開催されます。小黒三郎さんの最新作の組み木も
展示予定ですし、子供向けワークショップも開催予定です。
また6/18(土)・19(日)には「木育グッド・トイキャラバンinゆっかぬひー」
が沖縄大学を会場として開催されます。これは東京おもちゃ美術館から300点を
超える木のおもちゃを取り寄せ、子供も大人も楽しめる「おもちゃ広場」を
設けたり、県内木工作家による手作りおもちゃなどのワークショップを展開したり
と、貴重な体験を親子で楽しめるイベントです。
最後に第2回ウッディ・ビエンナーレin沖縄は2年後の2013年に開催されます。
この2年の間に沖縄の木のおもちゃをめぐる環境や状況が大きく変わり、
広く認知されるよう尽力したいと思います。
■琉球住樂としても木造住宅の担い手として積極的に「木育」や木のおもちゃに関する
活動に関わって行きたいと思います。今日はありがとうございました。
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今回、インタビューに応じてくださった
横田道朗さんの木暮らし工房のホームページはこちら(★)
※沖縄グッド・トイ委員会 http://okgoodtoy.ti-da.net/
※日本グッド・トイ委員会 http://goodtoy.org/
「木育グッド・トイキャラバンinゆっかぬひー」に関しては
詳細が決まり次第、弊社ホームページまたはじゅう樂13号で紹介いたします。
4/23(土)から開催されている、楽樹展・5《木と友達になろう!おもちゃ展》
の詳細は次の記事(★)、または木の工房 楽樹のブログ (★)をご覧下さい。